V系

インタビュー:名古屋の某ライブハウスの店長さん

V系シルバーアクセサリーブランド、
クロスロードダイヤモンドです。

 

インタビューをしていますが、
今回は名古屋の某ライブハウスの
統括の方にお話を聞いてきました。

 

事前になにも打ち合わせもなく、
ただ、

 

「インタビューをしたいです」

 

という旨を伝えたいだけで
快く引き受けてくれた統括に感謝です。

 

統括のバックボーンを知らなかったのですが
実は90年代V系をリアルで通っていて
V系とメタルが好き。

 

勝手にかなり好意を持った次第です。
かなりの長いインタビューに
なったのですが前編後編でお届けします。

 

 

ライブハウスで働く前はサンデーフォークにいた

ライブハウスでの職歴は長いんですか?

店長
LIVEハウス働いて12年で
特に語るようなことは・・。

長いじゃないですか!

店長
いえいえ。

 

もともと演奏してたとかですか?

店長
全くやってないです。
楽器も弾けず、歌も歌えず、で。

音楽は好きなんですか?

店長
正直人並みだと思うんですよね。

(とは言ってますが、かなり真摯に向き合ってるように感じた)

店長
LIVEにめっちゃ行ってたとか、
バンドにものすごいハマってたとか、
そんなになかったですね。

 

何がきっかけで働き始めたんでしょうか?

店長
大学卒業して就職せずに、
半分引きこもりみたいな感じでブラブラしてたんですよ。

親から「いい加減働け」って
プレッシャーがあって。

適当に地元で就職したんですが
会社と仕事が合わなくて辞めて。

よくあるパターンですね。

店長
新聞見てたらサンデーフォークが募集をしていて。

名前聞いたことあるし、
音楽業界面白そうだなーと思って
応募したら受かってしまいまして。

 

そこが始まりなわけですね。

店長
ヴィジュアル系とメタルが元々好きで。
高校の時にヴィジュアル系に片足突っ込んで大学の時にメタルに片足突っ込んでいたんで、自分に向いているかな、と。

 

ぼくと同じじゃないですかw

店長
当時サンデーフォークにはヴィジュアル系が好きな人っていなくて。このジャンルに対して情熱がある人が見当たらない感じで。

これは自分ならいけるぞ、
というのもありましたね。

第一人者になれるぞ、と。

店長
そうです、目標みたいなものができて頑張ろうと思ったんですけど・・。仕事ができなくてポカをやらかして。

続いたんですよ、まあまあのポカが。
もう無理と思って、ここにいづらいわ、と。

 

若い時にありがちですね。
月に一回は何かやらかすっていう。
何をやらかしたんですか?

店長
有名なアーティストの会場入りの出迎えをしなかった。会場でボーっとしてたら、アーティストが自分でタクシーで会場に来ちゃって。

ああいうのって出迎えするものなんですか?

店長
事務所の意向とかもありますね。

 

LIVEハウスだと機材車でみんなで
会場入りするじゃないですか。
ホールクラスだとやっぱそういう
出迎えってあるんですね。

店長
ホールクラスだといわゆる
「みんなが知ってる有名人」
じゃないですか。

その出迎えをしなかった、
という。どえらい怒られて。

アーティストに怒られたんですか?

店長
本人が怒ってるかが分からなくて。
もうそういう絡むレベルじゃないんで。
僕らは現場担当者だったんで。

アーティスト担当の人が
めちゃくちゃ怒られたかもしれないですが、
その人がそこで止めてくれたみたいで。

 

業務内容をぼくみたいな一般人は
知らないと思うんですけども、
アーティスト担当と
現場担当がいるんですか?

店長
そうですね。

現場担当はいわゆるハコや
会場のことをやる人。

店長
そうです。
アーティスト担当は公演の担当ですよね。

チケットをどうやって売るかとか、
アーティストの出迎えもしますが、
「こういうプロモーションどうですか?」
とか提案したりします。

いついつに名古屋にきて
ラジオに出ましょうとか、
こういうのがありますどうですか?とかです。

 

なるほど。

店長
現場の仕事はそれを踏まえて1日を問題なく終わらせる。

怒られた時はアーティスト担当してた。
その時は現場にいたんですが、
雑務というかなんでもやっとけっていう雰囲気で。

「タクシー配車して迎えに行け」

って言われてたんですけど、
頭から抜けてて。
それで怒られるっていう。

それはもう何も言えないですね。

店長
あとあったのがドリンク代もらわないといけない公演だったのに、ドリンク代をもらわなかった。

別の公演で「ドリンク代いらない、もらわない」っていう公演があったんです。

それと勘違いして、
「今日はドリンク代いらないです」
ってハコの人に言っちゃって。

 

それはまずいパターンですね。

店長
そうしたらハコの人が走ってきて
「みんな払おうとしますよ、大丈夫ですか?」
って言うんですが、

「いらないです、大丈夫です!」

って言ったら本当はいる公演で笑

結構な損失ですよねw

店長
500人入る場所だったら・・ねえ笑。
でも途中からもらうわけにもいかないですから。
結局尻拭いだけは上の人がやるっていう。

でもやらかしたっていう
事実は残るじゃないですか。

もう凹んで。
それで向いてねえなあって思って。
サンデーフォークを辞めちゃって。

 

 

ライブハウスで働きはじめたきっかけ

店長
辞めてまたフラフラしたんですけど、
ここのハコでの仕事が多かったんです。

それでハコ自体が忙しいんで、
「ヒマしてるなら手伝ってくれ」
ってハコのオーナーに言われて。

それで短期でバイトしてたら
「定期的に手伝ってくれ、電話番だけでもいいから」って言われて。

電話ってそんなにかかってくるんですか?

店長
電話多いですね、
お客さんとかイベンターさんとか。

 

お客さんからの電話って
そんなに多いんですか?

店長
チケットどうやって買うんですかとか。
花を出したいんですがどうしたらいいですか?とか。
落し物ないですかとか。様々ですね。

チケットは自分で調べてくれよっていう。

店長
でもウチのハコがオールジャンルなので
ライブハウスに来たことがない人も
やっぱりいるんですよ。

ドリンク代ってなに?
ドリンクいらないんだけど、とか。

 

普段ホールしか行かないような人は
システム自体がわかってないんでしょうね。

店長
そういう電話に対応してると
回らないから手伝ってよって言われて、
最初は本当に電話番だけして。

たまにお客さんの整理とか
してたんですけどね。
それはそれで気まずいんですよ。

たしかに。

店長
みんなバタバタして忙しそうなのに
自分だけ電話番しているとか。

自分が電話番することで、
ほかの人は本当に楽になってるのかな?
とか気になってはいたんですが
1年経っちゃって。

本当にその1年は
電話番ばっかしてましたね。

 

電話ってライブハウスでは、
かなり時間を取られるんですね。

店長
でも電話番して、
「じゃあありがとうね、助かった」
っていう話にならなくて。

こっちもサンデーフォークにいた時に
お世話になっているので、僕から

「じゃあお世話になりました」

って言うのも違うし
言いづらいなあって。

なるほど。

店長
そのままやり続けていたら
12年経っちゃった感じなんですよ、僕は。

お金の話はちゃん決めましたけど、
履歴書もないし雇用形態も
全く気にしていないっていうか。
自分がそういう性格なんで。

 

 

最初はライブハウスの仕事が全く分からなかった

店長
ブッキングって何?
タムってなんですか?
マーシャルって何ですか?
っていうレベルで。
楽器もそもそもやっていないんで・・。

全くの0の状態だったわけですね。

店長
そうそう。
タム持ってきてって言われても分からないし、
マーシャルって言われても
分からん奴がよう働けてるなあっていう。

ドラムの組み方が分からないんで
「教えてもらっていいですか?」
とか仕事終わってから
残ってやってましたね。

 

分からないと仕事ができないでしょうしね。

店長
わからんままいても
足手まといなるのも嫌だし、
仕事にならないから覚えるしかないんですけど。

役に立ちたいっていう
それしかないですね。

綺麗事でもなんでもないんですけど。
自分の休みがどうとか、
お金持ちになりたいとか、
あんまり自分はないんですよ。

それで仕事をひたすらしていて・・。

店長
とにかく人の役に立ちたい。
足手まといにはなりたいくない。
尽くすっていう意味では
なかなか気持ちがあった
20代だったかなって思いますね。

 

 

ライブハウススタッフの仕事とお金の話

店長
ライブハウスなんか正直、
お金は安い方ですし、
足元を見るっていうか、
そういうところはありますね。

働きたい人ってどういう人が多いですか?
音楽が好きな人でしょうか?

店長
一般的なライブハウスだと
そういう人が多いと思います。

あとは好きなバンドが出ているから憧れているんで働きたいとか。
バンドマンとか。

ただうちのハコが特殊かもしれないんですが、バンド系経験者は1人しかいないんですよ。

 

全然いないんですね。

店長
ちゃんとツアーも回って
ミュージシャンやってた人が1人。

バイトでも経験者はいないんですか?

店長
バイトで音楽をちょっとやってた子はいましたけど。

音響照明系の学校行ってた人は多いですね。

ここで照明観てそれで感動して
「働きたいです」っていう人も
過去にはいましたし。
・・・こんな話でいいんですか?

 

いやいや全然いいです。
お客として行く側からすると
お客さん並ばせて入れて・・・。
っていうのは分かるんですけど。

ほかに何してるんだろうって
いうのがあるんですよね。

例えば今だと15:00に
お話伺ってるんですけども
15:00ごろから仕事始まるんですか?

店長
日によりますね。
アーティストが何時に入るとかで決めてますね。

 

何時に始まるっていうのは
特にないんですか?

店長
ないですね。
アーティストの人が11:00に入るなら、
現場の人が必要な時間だけ早く入ります。
準備万端であれば10分前、
10:50ごろに入って待ってます。

そういう感じなんですね。

店長
今日とか15:00なんですけど、
アーティストが何時に来ようと
14:00には出社しようっていうのは
昔からなんとなく決まってます。

 

だいたい18:30とか17:30には
オープンするじゃないですか、
それまでの間って何やってるんですか?

店長
機材搬入、セッティング、リハーサル
リハーサルが終わって諸々準備が
終わってからちょっと休憩できて
オープン、スタート。

終電。
お客さんを出します。
撤収。

 

どの時間帯が一番忙しいのでしょうか?

店長
立場によるかもしれないですが、
現場の人は常に忙しいと思います。
搬入してからバタバタですよね。

リハ終わりからオープンまでの
間ぐらいじゃないですか、
ちょっとまったりできるの。

リハがギリギリに終わっちゃうと
気が休まる時間はないですね。

 

お客さん入れてスタートして
よくステージ横にいるじゃないですか。
マイクスタンド倒れそうになると
シュッて出てきたり。

あれはああいう専門の
スタッフがいるんですか?

店長
そうですね。
補助というかトラブルがあった時に
まず駆けつけれるような人が袖にいて
音響と照明がいて。
ドリンクカウンター、受付で5名はいますね。

ただ日によっては
ステージがいなかったり
ハコによっては音響と照明を
1人でやってたりもします。

会場の規模感によって違うと思いますね。

 

終わるのって決まってないんですか?
はけたら、ですか?

店長
だいたいワンマンだと
21:00から21:30に終演して
色々やってると、、、

23:00ぐらい。

まあそんな感じですね。
ハコを貸すリミットが23:00までなんで
23:00にアーティストが出ると
そこから楽屋とか掃除して0:00ぐらいに
なることもあります。

 

そんなに長いこと何やってるんですか?
ダベってる?

店長
ダベってることもありますが、
終演が22:00越すこともあります。
特にイベントだと。

 

演奏の持ち時間1分越すと
罰金があるっていうのは・・・

店長
昔のV系だとそういうのありましたね。

某V系のハコが1分越すと
1000円とか1500円とか、、、

店長
実際は取らないと思いますけどね。
主催者によっては取るところも
あるみたいですね。

 

ちょろっとだけ
昔バンドやって時期があって。
そこでイベント出たんですけど
ステージ横の場所に貼り紙があって。

罰金1分1500円

みたいなのが書いてあって
ギターの子がスタッフさんに
聞いたんですよ。

「これって冗談ですか?」って。

そしたら、
「いいえ、本当にいただきます」
って言われて。

店長
ああ、そうなんですね。
あれ知ってます?
渋谷が大変ってイベントがあって
V系のサーキットイベントがあって。
それだったかな?

ムックが出たイベントがあって。

それも押したらいくらがあって、
イベントなんで押すわけにはいかないんで
抑止力も込めてだと思うんですけど、
うーん細かくは覚えてないんですけど。
1分1万かなあ。

ムックが出番前に10万ポンと出して
俺らは10分押すからって言って
払ったていう噂は聞いたことあります。

 

もう払うからw

店長
そうです、10分押すからって言って笑

ちゃんと終わらせる気は
ないんですねw

店長
いや、かっけええな!って思いました。

かっけえですけど、
迷惑ちゃあ迷惑ですよねw

店長
そうなんですけど、ロックだなあって。
そんなバンドいるんだなって笑
かっこよすぎるでしょっていう

 

でもそういうことされたら
どうしようもないですよね。

いらないんで押さないでください
って言っても聞かないんでしょうねw

店長
でもこういう決まりはV系のみな気がしますね。
うちのハコではそういうのはないですし。

続く

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